デザイナーアーカイブ[家具について]

Peter Hvidt(ピーター・ビット)

Peter Hvidt(ピーター・ビット)

1916-

ピーター・ビットはコペンハーゲンの芸術工芸学校にて建築家そして家具職人として訓練を受けました。彼はデザイナーとしていつもキャビネットメーカーズギルド展示会に出品したほか、1942年から45年までは王立美術アカデミーにて教鞭をとっていました。1944年に「ポルテックス(Portex)」というスタッキングチェアをデザインし、それはデンマークで初のスタッキングチェアとも言われています。そして同年にオルラ・ムルガード・ ニールセンとともに家具デザインオフィスを立ち上げました。

1940年代の後半を通しビットがデザインした家具はまず非常に古典的で、しかし家具デザインの基準をすごく巧妙な方法で操作したことも多かったようです。1948年に机、カップボード、そして椅子を含むマホガニーの家具セットで、ビットが椅子にとりつけた幅広の座面と肘掛のために椅子が机の中に入らなくなってしまったことで非難を浴びました。1950年にムルガード・ニールセンとともに「AXチェア」を共同デザインし、それは彼らのキャリアを代表する作品となりました。チャールズ&レイ・イームズのデザインに刺激された「AXチェア」は、デンマーク初の座面と背面を2枚のプライウッドで作った椅子でした。その椅子はフリッツ・ハンセンで製造され、同社のラミネート接着技術を使って製造しました。しかしその技術も元々はテニスラケットを作る技術から借りたものでした。その製造方法は大量生産の発展的機会に取って代わることになりました。木製家具の品質基準に妥協することなく、もっと早く商品が生産できるからです。デンマーク製家具の大きな市場を開くのに多大に貢献し、モダンデザインにおいてデンマークという国がリーダーであるという位置づけにも貢献しました。このデザインは輸出という新しい領域活動も開きました。というのも座面と背面は取り外せ、薄く収納ができ、輸送コストの軽減が可能な故に世界的ヒットとなりました。その後「AXチェア」はいろいろな種類が製造されました。肘掛があるもの、ないもの、木製の座面の代わりにリバーシブル可能な皮製の張り布がしてあるものとか。「AXテーブル」も合わせて製造され、ニューヨーク近代美術館が出資した1951年のグッドデザイン展に展示されていました。

ビットは毎年キャビネットメーカーズギルド展示会のために家具を作り続けましたが「AXチェア」ほどの国際的賞賛を浴びるような作品はひとつとしてありませんでした。1951年チーク材で品格のある役員向けオフィス家具シリーズを製作し、1959年にはローズウッドに皮の張り地を施した豪華な家具セットを展示しました。彼は1951年と1954年にミラノトリエンナーレで名誉賞(Diplo^me d'Honneur)を受賞しています。彼とムルガード・ ニールセンはフリッツ・ハンセン社そしてフランス&サンに家具を提供し、コンビとして長く仕事をしています。

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