デザイナーアーカイブ[家具について]

Mario Bellini(マリオ・ベリーニ)

Mario Bellini(マリオ・ベリーニ)

1935-

イタリア人建築家、家具および産業デザイナーのマリオ・ベリーニは1959年ミラノ工科大学で建築学の博士号を取得します。イタリアンデザインが国際的に流行した1955年から65年までの間、彼の人気は絶大でした。リナシェンテ(La Rinascente)というデパートのデザインディレクターとしてキャリアをスタートさせたベリーニは、オリベッティ社(Olivetti)のコンサルタントとなり、1963年まで勤務しました。

戦後新しく需要のあった機械設計をする中でオリベッティ社はベリーニに彼独自の開発をさせる大きな自由を与えました。彼は各種端子、テレプリンタ、機械サポートそしてタイプライターを担当。彼は機械のボディの平面滝部分と楔のような側面に強く着目し、外側の“皮”ないしは“伸ばした皮膜”を外面用に開発しました。彼の有名な計算機「Divisummal」には切れ目の無い、柔らかい、ゴム製皮のキーボードを開発。そのほかの成功した製品として「GA45POP」というミネルバ社の自動レコードプレーヤー(1969)、そしてヤマハ社の「TCV 500」ビデオディスプレー機器と「TC 800」カセットデッキ(1975)があります。ベリーニは1972年ニューヨーク近代美術館でのイタリアンデザイン展で「ハードな中身/ソフトな外見」の公式を逆さまにしたりもしました。カッシーナ、シトロエンとピレリとのコラボレーションで作った車「Kar-a-Sutra」も有名です。きちんとしたバスのような構造体にシートを倒して乗るためにカウチやクッションが置かれました。そしてベリーニは70年代後半ルノーのデザインコンサルタントでもありました。

彼がデザインしたC&Bイタリア社やカッシーナ社向けの初期の椅子は一般的に人気の高かったクッション性の高いアームチェアやソファです。1966年の「アマンタ(Amanta)チェア」はシンプルで、ファイバーガラスのフレームにL型のクッションを被せたものです。その後1976年、1982年製作の「キャブ(Cab)チェア」とソファ は取り外し可能な皮製カバーがフレームに沿ってチャックで止められているもので彼の代表作とも言えます。見本を作るためにつかう粘土は彼がデザインを成型しやすいように見るからに柔らかいものだったそうです。ウ゛ィトラ社のために彼がデザインしたオフィスチェア「イマーゴ(Imago)」は今日大量生産されている先人デザイナーたちの作品にも似ています。1970年後半に製造に入った椅子は「Figura」「Persona」「Onda」「Summa」そして「Forma」と多くあります。 彼の照明デザインには、1974年の「Area」ハンギングライトのように、機能面で妥協して彫刻的な品質を保ったものもあります。

ベリーニはさらにヴェニスの工業デザイン大学やヴェニスの応用芸術大学そしてミラノのドムスアカデミーで教鞭をとり、キャリアをさらに増やしました。また「スタジオ・ベリーニ」という名の自身のオフィスもミラノに所有してもいます。1986年から1991年まではイタリアのデザイン誌「ドムス(Domus)」 の編集長でもありました。1986年のミラノトリエンナーレでは国内プロジェクト展の主事を務めたほか、コンパッソ・ドーロ(ゴールデン・コンパス賞)を何度か受賞もしています。

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