デザイナーアーカイブ[家具について]

Joe Colombo(ジョエ・コロンボ)

Joe Colombo(ジョエ・コロンボ)

1930-1971

ジョエ・コロンボはイタリア、ミラノ生まれ。ブレラ美術アカデミーで絵画と彫刻を学び画家を志すものの、ミラノトリエンナーレでプロダクトデザインに魅了され、ミラノ工科大学建築学科へ進学します。在学中より前衛美術集団「ウ゛ィメント・ヌークレアーレ」に参加し、前衛的アーティストとして展覧会などにも参加し精力的に活動します。

卒業後の54年、コロンボは第10回ミラノトリエンナーレに参加。屋外用の椅子を提案しました。59年、電気部品工場を経営していた父が他界し、仕事を引き継ぐものの、デザインが忘れられず、62年にミラノに自身のデザイン事務所をオープンさせます。64年、サルディニアのホテルのインテリアをデザインし、国立建築研究所(IN/ARCH)賞を受賞。

60年代から彼が亡くなる71年まで、コロンボは約300のおびただしい数の家具と家電のデザインをしました。彼がデザインした家電には「オプティック」アラームクロック (1970), 照明「スパイダー」 (1965)そして64年ミラノトリエンナーレで金賞を受賞した「アクリリカ」(1962)などがあります。またこの時代、プラスチックを採用したデザインを多くしています。彼の「ユニバーサルチェア」 (1965) や「ボビーワゴン」(1970)などいずれも不朽の名作で、ボビーワゴンはニューヨーク近代美術館の永久展示品にもなっています。

コロンボはその部屋で必要な家電を全部集結したユニットの製作をしていました。「家の中で必要な物体はすべて使いやすい場所にまとめられるべきだ。だからそれらはもはや家具ではなく設備とよばれるべきなのだ」とコロンボは言っています。彼のこの理論に基づく興味深い作品の1つに2口コンロ、冷蔵庫、貯蔵庫、食器棚、そしてまな板と作業テーブルを完備したユニットワゴン「ミニキッチン」 (1963) やキッチン、ダイニングルーム、ベッドルーム、バスルームに書斎を完備した「トータル・ファーニッシング・ユニット」 (1971)という小さなスペースに高機能を盛り込んだユニットがあります。

コロンボは「デザイナーとは未来の環境を創造する人」という信念があったので個々の家具よりも生活環境の導線を考えた新しい形の家具を作ることに全力を傾けていました。彼の業績は「建築物から自立して、自由で、そして現在でも未来でも、どんな空間にも調和し、調整できる物を創作したい」という願望に駆り立てられたものでした。

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